PTC Creo Parametric 3.0までの部品やアセンブリのデータには、プレビュー時に使用するCreo View (ProductView)データが埋め込まれていました。本記事ではプレビューデータとファイルサイズに関してご紹介します。
埋め込まれているプレビューデータ
埋め込まれているプレビューデータは、Creo Parametric(Pro/Eも含む)のファイルオープンダイアログのプレビューで使用されるほか、Creo Viewで部品やアセンブリを開く際に使用されます。下図は開くダイアログでのプレビューです。このプレビューにはアセンブリや部品に埋め込まれたCreo Viewデータが表示されています。
シェード精度
シェード精度を変更するとCreo Parametricのシェーディング品質が変わります。現在は1から50まで設定ができ、大きな値であるほどシェーディング時のポリゴンが細かくなります。レンダリング時やシェード上でサーフェスの品質を確認したい場合にはシェード精度の値を大きくして、ポリゴンを細かくする場合があります。ポリゴンの詳細な設定はできず1から50の値を指定するだけです。またその値をいれるとどのような仕組みでポリゴン化されるのかは非公開になっていてわかりません。
以下はクオリティの値が1と25と50を比較したものです。1と25では違いが判りますが25と50ではわかりません。どの値が適切かはいろいろと試して確認する必要があります。必要以上に大きな値をいれるとグラフィック上の負荷も増えてしまいそうです。
以下の図は反射解析を適用したモデルです。シェード品質が10の方が1よりもポリゴンが細かくなり見た目が大きく変わっていることがわかります。
プレビューデータとファイルサイズ
シェード精度(shade_quality)を上げると、Creo Parametricの表示精度が上がるだけでなく、埋め込み保存されるCreo Viewデータのポリゴンも細かくなるためサイズが大きくなります。ややこしいのですが、埋め込まれているCreo Viewデータはシェード品質だけでなく、save_model_displayというコンフィギュレーションオプションにも影響を受けます。Creo Parametric 3.0と4.0でシェード精度とsave_model_displayの影響を確認してみました。以下の表は結果をまとめたものです。*shade_qualityコンフィギュレーションオプションはPro/E Wildfire 5.0から追加されたオプションです。Wildfire 4.0以前はデフォルト値3で固定されていました。
検証に使用した部品モデル
検証結果
検証結果より
検証結果よりシェード精度(shade_quality)に比例して、save_model_displayの値がshading_lodとshading_highの場合にファイルサイズが大きくなることがわかりました。shading_lowの場合は強制的にCreo Viewのポリゴンを粗くさせるようでシェード品質に影響を受けません。wireframeもワイヤフレームとして保存するため影響を受けないようです。Creo 4.0からはプレビューデータを埋め込み保存しない仕様になっているため、シェード品質にはまったく影響を受けません。
まとめ
save_model_displayのデフォルト値はshading_lodです。Creo 3.0までのリリースでは、シェード品質によってとても大きなファイルサイズになってしまうことがありますので注意が必要です。上記グラフからもシェード品質が10を超えると、shading_lodとshading_highの場合は保存ファイルサイズが急激に増えていきますので要注意です。shading_lowの場合はシェード品質に無関係に小さなサイズで保存できます。
今回は1部品で検証しています。このような構成部品を数多く含んだアセンブリになるとファイルサイズが膨大になりそうです。シェード品質と保存サイズには気を付けてご利用ください。