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導入事例

PTC® Creo® で精度の高い解析が可能に
理経のサポートで技術者の業務効率を向上

ミズノ株式会社(http://www.mizuno.co.jp/

ミズノ株式会社 PTC Creo導入事例 3Dモデリングと解析によるソール(靴底)部分の開発イメージミズノ株式会社 PTC Creo導入事例 ミズノ株式会社の伊藤氏(左)と土井氏(右)

ミズノ株式会社 (以下、ミズノ) は、PTC Creo を長年にわたって使い続けている。ゴルフ クラブ、フットウェアとバットの開発において、製品設計および解析で活用。株式会社理経(以下、理経)のサポートを受けながら、スポーツ品メーカーならではの使い方や、長年の経験とノウハウを生かした業務効率向上策などを展開し、技術者の業務になくてはならない存在になっている。

17 年間の 3D CAD 活用

ミズノは、「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」ことを経営理念とするグローバル企業だ。スポーツ品事業を中心に、スポーツ関連のスクール事業なども展開。さまざまなスポーツ大会にも協賛している。新素材の導入や、最先端技術を使った製品の解析にも積極的に取り組み、近年はテクノロジーを最大限に生かしながら、そこに職人の技量を加える「クラフトマンシップとテクノロジーの融合」を企業文化として浸透させている。

テクノロジー活用の代表例が、3D CAD だ。同社の PTC Creo 使用歴は長く、国内では1999年からゴルフ クラブおよびフットウェアの開発に利用してきた。米国の開発部門が使い始め、そこに長期間駐在していた技術者が帰国後に旗振り役を務めた。国内ではPTC Creoに強いシステムインテグレーターとして、サポートを理経に依頼。徐々に部門内に浸透し、いまではすべてのゴルフ クラブ開発者と、シューズのソール (底) 部分の開発者にとって、業務になくてはならない存在になっている。  

グローバルイクイップメントプロダクト部 クラブ開発課 技師 土井 一宏 氏は、「私が入社した頃、ゴルフ ヘッドのモデルは手作りでした。職人が木型を削りマスターモデルを作製します。そして肉厚・重量設定を決定させるために表面積を測定する必要があり、その木型にテープをきれいに貼って面積を計測する必要がありました。ロゴ貼りも手作業です。いまでは考えられません。PTC Creo なら一発でできることばかりですから」と話す。

新人教育プログラムの開発も

ミズノ株式会社 PTC Creo導入事例 ミズノ株式会社 グローバルイクイップメントプロダクト部 クラブ開発課 技師 土井 一宏 氏

土井氏は入社以来、クラブ開発一筋だ。CAD の知識は全くなかったというが、PTC Creoが導入されると興味を持ち、わからないことがあれば理経の技術者に相談しながら、すべてを独学で覚えた。当時、部署内に PTC Creo を使える人は少なく、その便利さが周知されるにつれ、仕事が集中するようになったという。PTC Creo を使って大量の仕事をこなす土井氏たちの姿を見た技術者は、自分たちも PTC Creo を使わなければならない、と考える。そして、操作を覚えていく。

「いまでは、新人が入ってきたら真っ先にPTC Creoを覚えてもらいます。PTC Creoを使えなければ、うちの部署で仕事ができませんから。理経さんには、教育プログラムの開発などでもお世話になっています」(土井氏)

ミズノ株式会社 グローバルイクイップメントプロダクト部
クラブ開発課 技師 土井 一宏 氏

ミズノ株式会社 PTC Creo導入事例 ファミリーテーブルを活用したアイアンの番手展開クラブ開発課における特徴的な使い方は、ファミリー テーブルを活用したアイアンの番手展開だ。1 つのモデルを設計すれば、角度や長さを調整したパラメーターを割り当てるだけで、3 ~ 9 番アイアンとピッチング ウェッジに展開できる。その後は、個々のモデルを検証することになるが、それに要する時間はわずか 3 日ほどだ。業務時間の多くを基本モデルの設計と強度や打球音解析に割けるため、仕事の品質は大きく向上する。

業務効率をさらに高めているのが、マップ キー (コマンドをキーボードから実行させるショートカット機能) の活用だ。マウスを使う作業を極力減らすために土井氏が自ら作成したマップ キーは、「ゴルフ コンフィグ ファイル」として共有サーバーに置かれ、クラブ開発課のスタンダードになっている。

さまざまな解析に活用

ミズノ株式会社 PTC Creo導入事例 3Dモデリングと解析によるソール(靴底)部分の開発イメージグローバルフットウェアプロダクト本部では、ソール (靴底) 部分の開発にあたる技術者が PTC Creo を使用している。用途のメインは 3D モデリングと解析だ。クリーツ シューズと呼ばれる、野球、サッカー、ゴルフなどのスパイクが配置されたソールの硬いフットウェアは、形状が機能に直結するため3D CADを用いた設計と解析が極めて有効だ。これらのフットウェアは、ソール部分の設計から性能評価のためのフロント ローディング、シミュレーションに至るプロセスを、すべて PTC Creo で完結させている。

ミズノ株式会社 PTC Creo導入事例 ミズノ株式会社 グローバルフットウェアプロダクト本部 開発ソーシング部 開発課 技師 伊藤 幸司 氏グローバルフットウェアプロダクト本部 開発ソーシング部 開発課 技師 伊藤 幸司 氏は、「PTC Creo による解析は、ソールに使用している素材が硬い方が結果の精度が上がります。PTC Creo を活用した設計プロセスで最も重宝しているのは、設計の方向性を判断するために必要な定性データを、設計者自身が解析する事で容易に得ることができることです」と話す。

シミュレーション機能は、クラブ開発課でも活用している。応力集中による故障を防ぐための解析などに加えて、面白いのが音の解析だ。ミズノのクラブは打球音が良いことで知られ、それが故にファンも多い。その打球音のシミュレーションも PTC Creo で行っているという。

ミズノ株式会社 グローバルフットウェアプロダクト本部
開発ソーシング部 開発課 技師 伊藤 幸司 氏

事前に形状を確認できることについても、PTC Creo は効果的だ。「すべてのスポーツ品は、機能とデザインが一致していなければ売れません。PTC Creo であらかじめ確認しておけば、作ってみたけれど見た目が今ひとつピンと来ない、ということを未然に防げます」(伊藤氏)。

 

私たちはエンジニアであって、 CADオペレーターではない

このように、ミズノは、PTC Creo というテクノロジーを最大限に活用し、商品の形状を決め、性能を解析している。しかし、それはあくまでも完成品となるスポーツ品の基本的な形状と機能の開発という位置づけだ。最終商品になるまでに、技術者と現場の職人たちは微調整を繰り返す。クラフトマンシップとテクノロジーが融合し、ミズノというグローバル ブランドの、魅力的な新商品が生まれるのである。  

土井氏は、「PTC Creo により、効率的な設計開発と精度の高い検証が可能になります。それを土台に、職人の息吹を吹き込んだものが、私たちのスポーツ品なのです」と話している。  

同社の導入当初から、サポートを提供している。理経との関係について両氏は、「私たちはエンジニアであって、CADオペレーターではありません。CADの難しい部分は、理経さんに問い合わせをすると極めて迅速に回答してくれます。教育サポートを含めて社内の評判はとても良く、これからも長くお付き合いいただきたいです」と話している。

 

Corporate Profile

ミズノ株式会社
設立 1906 年 4 月 1 日
所在地 東京都千代田区神田小川町 3 丁目 22 番地
代表者 代表取締役社長 水野 明人
資本金 261 億 3,700 万円 (2015 年 3 月 31 日現在)
従業員数 5,365 名 (2015 年 3 月 31 日現在)

本「導入事例」は、PTC ジャパン株式会社より許諾をうけ、掲載を行っております。
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